キッチンこそ「スチールラック」が最強の選択肢
スチールラックと聞くと、倉庫やガレージにある無骨な棚を想像し、生活感が出すぎると敬遠する方もいるかもしれません。
ですが、プロの料理人が働く厨房を見てください。
そこにあるのは木製の棚ではなく、ステンレスやスチールのシェルフです。
水や油汚れに強く、耐熱性があり、通気性が抜群。
そして何より、家電のサイズに合わせてミリ単位で高さを変えられる可変性があります。
安っぽいのではなく、それはインダストリアルな機能美なのです。
今回は、ただ物を置くだけではない、使い勝手を極限まで高めたスチールラックの構築術を解説します。
失敗しないスチールラック選びと構成のポイント
ホームセンターやネット通販には様々なラックがありますが、キッチンで使うなら押さえるべきポイントがあります。
それは防錆加工(防サビ)とポール径です。
- 防錆・クリアコーティング必須
キッチンは湿気と油煙の過酷な環境です。未塗装のメタルラックはすぐに錆びます。
必ず防錆加工やクリアコーティングが施された、水回りに強いモデル(ルミナスやエレクターなど)を選んでください。 - ポール径は25mmが標準
オーブンレンジや炊飯器、土鍋などの重量物を置く場合、ポール(柱)の直径は太い25mmを選びましょう。
細い19mmタイプは耐荷重が低く、揺れの原因になります。
制作手順
スチールラックの組み立ては簡単そうに見えて、実はレイアウトで9割が決まります。
適当に棚板をつけると、後で家電が入らずやり直す羽目になります。
以下の手順で、論理的に組み上げてください。
STEP 1:最下段はゴミ箱のために空ける
これが最大のポイントです。
多くの人が一番下の棚板を床すれすれに設置しますが、それはスペースの浪費です。
最下段の棚板を床から70cm〜80cmの高い位置に設定し、その下の空間にフタ付きゴミ箱や重い飲料ストックを置けるようにします。
補強のために、足元にはコの字バーというパーツを入れるのが鉄則です。
これでデッドスペースになりがちなラック下を有効活用できます。
STEP 2:ゴールデンゾーンにメイン家電を配置
次に、腰の高さ(床から90cm〜100cm付近)の最も使いやすい位置に、オーブンレンジやトースターを配置します。
ここがコックピットの操作盤となります。
炊飯器などの蒸気が出る家電を置く場合は、手前に引き出せるスライドシェルフというパーツを組み込むと、機能性が飛躍的に向上します。
STEP 3:隙間を埋めるリメイクテクニック
スチールラックの弱点は、棚板の隙間から小物が落ちることと、無機質すぎることです。
これを解決するために、棚板の上にカットしたMDFボードや有孔ボードを敷きます。
さらにその上から、好みのリメイクシートを貼るだけで、見た目は高級家具に変わり、安定感も抜群になります。
既製品のウッドシートを買うのも手ですが、DIYならホームセンターで板をカットしてもらう方が安上がりです。
収納術のポイント
組み上がったラックに物を詰め込む際も、デザイナー的なルールがあります。
それは質感の統一と重さの配置です。
- 中段:機能美を見せる
レンジやトースターなどの家電は、そのまま置くことでメカニカルな美しさを強調します。
コード類は結束バンドでポール(柱)の裏に沿わせ、視界から消してください。 - 上段:箱で隠す
目線より高い位置には、軽くてかさばる乾物やカップ麺などを置きます。
ただし、パッケージが乱雑に見えるため、同じデザインのファイルボックスやワイヤーバスケットに放り込み、中身を見せないように工夫しましょう。 - S字フックの活用
ラックの側面(サイド)も収納です。
S字フックや専用のサイドネットを取り付け、ミトンやキッチンバサミを吊るせば、必要な時にワンアクションで手に取れます。
スチールラックは育てる家具である
ライフスタイルが変われば、キッチンの使い方も変わります。
引越しをしても、家族が増えても、棚板の高さを変えたりパーツを足したりして対応できるのが、スチールラックの最大の魅力です。
最初は基本セットから始めて、使いながらここにフックが欲しいスライド棚を追加したいとカスタマイズしていく。
その過程こそがDIYの楽しみであり、自分だけの最強のキッチンを作り上げる道なのです。